適正な市場価格とは

適正な市場価格とは

2017年、レオナルド・ダ・ヴィンチによって描かれた『サルバトール・ムンディ』が、4億5000万ドル超えで落札され、美術品の落札価格として史上最高額となりました。2018年には、パブロ・ピカソの『花かごを持つ少女』が1億1500万ドルで。そして先月、ジェフ・クーンズの『ラビット』が9100万ドルで落札され、存命のアーティストの作品としては史上最高額となりました。これら3つの作品は、イギリスのクリスティーズのオークションハウスで売却されました。

アーティスト・コンストラクテッド

マジックの世界では、今や非常に多くのフォーマットがあります。しかし私がマジックを始めたころは、数えるほどのフォーマットしかありませんでした。最終的に、タイプ2がスタンダード、タイプ1がヴィンテージ、その間のタイプ1.5がレガシーになりました。そして、エルダー・ドラゴン・ハイランダーがリブランディングされた統率者、モダン、アーチエネミー、プレインチェイス戦、ブロールなどなど…現在では、フォーマットに多くの選択肢があります。私はここに全フォーマットを列挙しようとは思はないので、ウィキペディアで検索してみました。すると、40以上のフォーマットが存在することが分かりました。

カードの向こう側にあるアート

もし、私が誰かに「あなたのお気に入りのマジックのアートは何ですか」と尋ねたら、だいたいの人が「〇〇のカードの絵」、「××のカードの絵」と答えると思います。私のお気に入りの作品はカードにはなっていない、と言ったら多くの人が驚くでしょう。マジックのアートは、カードになっているものだけではないのです――ウィザーズ・オブ・ザ・コーストが委託した、マジック:ザ・ギャザリングの設定の中で描かれた作品はすべてマジックのアートなのです。

ドラゴンを探し求めて

「憧れの人には会うべきではない」という言い習わしがあります。私はこれまでに、多くの憧れの人に会うことができており、そのいくつかはあまり良い体験ではありませんでしたが、後悔したことは一度もありません。幸運だったと思います。出会えた憧れの人の何人かは、マジック:ザ・ギャザリングのアーティストでした。彼らのアートは私にとって幼少期から大きな存在で、ファンタジーアートへの興味が深まり、美術学校に進むきっかけとなりました。そのうちの一人は、昨年の今頃亡くなったWilliam "Bill" O'Connorです。彼は優れたファンタジーアーティストで、ダンジョン&ドラゴンズやマジック:ザ・ギャザリングなどのゲームにも携わりました。しかし私にとって一番重要だったのは、彼が素晴らしい人物だったということです。

形作るためのガイド

あなたは伝言ゲームをしたことがありますか。1人がフレーズを選び、それを次の人にささやいて、列の最後の人が何を聞いたか言うゲームです。最後の人が聞いたフレーズは、最初の人が聞いたものとはほとんど似ていないことが多いのです。では、アーティストにあるものを描いてくれと頼み、次に別のアーティストに同じものを1つ目の作品に基づいて描いてくれと頼んだらどうなるか想像してみてください。そして3人目のアーティストに2つ目の作品を基に描いてもらい、そして4番目、5番目…と続いていきます。それぞれのアーティストが独自の持ち味とスタイルを作品に出すことで、変化がどんどん起こり始めることが想像できるでしょう。

キャラクターを作る

物事に重要性を持たせようとするのは人間の習性の一部であり、その最も簡単な方法は名前を与えることです。どんな名前でも良いわけではなく、適切な名前です。ディナーを運んできた「ウェイター」と「John Doe」では違いがあります。John Doeには生い立ちがあり、様々な出来事を経て、あなたに食事を運んできた人物にならしめたのです。

名前に何の意味があるのか

「私たちがバラと呼ぶものは、他のどんな名前で呼んでも、同じように甘く香るわ」
この言葉は、ウィリアム・シェイクスピアのロミオとジュリエットの劇中の有名なセリフです。正直に言って、私はあの劇のファンではありませんが、このセリフの大ファンです。このセリフは、私たちに考えさせます — もし名前を変えたとしても、ものは同じものであるのか。ゲーム業界において、もっとも象徴的な名前のいくつかがマジックに存在します。もし私が「ブラック」と「ロータス」という言葉を一緒に言えば、多くの人々の頭には、瞬時にマジックのカードが思い浮かぶでしょう。しかし、もしそれが別の名前だったらどうだったでしょうか。それはあなたがカードをどう見るかや、アートそのものに変化を与えるでしょうか。

コンセプトから実現まで

もし、あながマジックプレイヤーならば、何千もしくは何万のカードを見たことがおそらくあるかと思います。これらのカードには、何十もの世界と、何千ものキャラクターやクリーチャーが、小さな長方形の中に描かれています。マジック:ザ・ギャザリングのアートは、ゲーム産業の中で一番素晴らしいと言ってよいでしょう。しかし、あなたはアートがオリジナルのアイディアからカードに印刷されるまでの工程について、考えたことがありますか。

25th Anniversary MTG展

あなたは、美術館で有名な作品を見ることができない世界を想像できますか? モナ・リザ、星月夜、システィーナ礼拝堂などが個人的に所有され、どこかのリビングルームにあったとしたら——。システィーナ礼拝堂の場合はかなり難しいかもしれませんが、しかし言いたいことはお分かりでしょう。25年前に、マジック創設者のリチャード・ガーフィールド氏と、ウィザーズ・オブ・ザ・コーストの創設者ピーター・アトキンソン氏がマジックをどう作っていくかについて話し合いをしました。その時からずっと、マジック:ザ・ギャザリングのアートは、ゲームの欠くことができない部分を担ってきました。そして、それらのアートはまさにマジックそのものを形作るのに役立ってきたのです。ウィザーズ・オブ・ザ・コーストは、マジックのために年間に何百ものアート作品を発注します。その数は、印刷されたカードにはなっていないプロモやコンセプトアートなどを含めた場合、何千という数になります。