絵画の分析:モダンホライゾン

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モダンホライゾンが発売されたのは、ごく最近のことのように感じます。(このセットには凄いカードや素晴らしいアートがあり、発売から既に数か月経つにもかかわらず、いまだにとても人気があります。モダンホライゾンには決められた次元やテーマが無いので、カードに描かれた場面やキャラクターはとてもバラエティ豊かです。このセットには見事なアート作品がたくさんあり、この記事で取り上げる作品を絞るのはとても大変でしたが、なんとかやり遂げました。

精神の掻き寄せ( Jason Rainville 氏、デジタル)

精神の掻き寄せ(Jason Rainville氏、デジタル)

「精神の掻き寄せ」は、モダンホライゾンの中で私のお気に入りの作品です。痛みに顔を歪め地面に横たわっている人物と、彼から放射状に広がっている、または見方によっては彼に向かって延びている、引き裂かれた紙のような亀裂からは別の空間が見え、そこにいる魔法使いも痛みに悶えているようです。暖色と寒色の使い分けで、2つの空間と人物を描き分けています。亀裂の中の魔法使いは、非常に赤みを帯びた色で陰影を付けられており、彼のいる真っ赤な空間にマッチしています。地面に横たわっている魔法使いは、彼のいる空間に合うように、青や緑などの寒色の服を着ています。

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この作品の焦点は、横たわっている人物です。亀裂が矢印のように作用して、彼の顔を指しています。そして床には、人物を際立たせるスポットライトまで描かれています。かなり明確なことですが、亀裂によって生み出された空間は非常に人目を引くもので、それによって作品の残りの空間にも視線が導かれます。

この作品が公表されたとき、Jason Rainville氏は自身のツイッターでこの作品について非常に興味深いことを投稿していました(投稿は英語です)。お時間がある方は、ぜひ読んでみてください。

ミラディン包囲戦( Bram Sel s氏、デジタル)

ミラディン包囲戦(Bram Sels氏、デジタル)

ミラディンの次元は、2011年の新たなるファイレクシア以降、マジックのストーリーに登場していません。8年も経った今、モダンホライゾンのような特殊セットの中でミラディンの世界を視覚的に探検できることを、本当に感謝しています。アーティストBram Sels氏は、この作品でミラディン軍がファイレクシアと戦っている場面を描いています。

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明るく光っているので、この作品の焦点を見つけるのは簡単です ― 青マナの「発展の動力源」を率いる法務官、ジン=ギタクシアスです。周りの動きが渦巻いて彼の方に向かっており、法務官自身も、ミラディン軍の上に巨大で恐ろしく輝く存在として際立っています。ミラディン軍は必死に戦いましたが上手くいかず、今のところミラディンは新ファイレクシアとなっています。

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ミラディン軍とファイレクシアの軍勢との戦いを近くで見てみましょう。ジン=ギタクシアスがとても明確にメタリックで鋭く描かれている一方で、ミラディン軍そして他のファイレクシアの軍勢でさえ、ラフに描かれています。これは作品の2つの部分の見事な対比で、混沌とした周囲にもかかわらず、見る人を法務官に注目させる効果があるのです。

ウェザーライトの艦長、シッセイ( Anna Steinbauer 氏、デジタル)

ウェザーライトの艦長、シッセイ(Anna Steinbauer氏、デジタル)

しばらく見なかったキャラクターと言えば、シッセイです。彼女は1997年のウェザーライトから2001年のアポカリプスまでの間、ストーリーでかなり目立つ存在でした。Anna Steinbauer氏は、彼女の船であるウェザーライトの片鱗を描きつつ、シッセイの強さと気迫を見事に描ききりました。

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これは伝説のクリーチャーのカードなので、焦点は言うまでもなくシッセイです。片手に剣を掲げ、もう一方の手でウェザーライトの舵を取る彼女を、甲板から30cmほどの高さから見上げている形です。人物がウェザーライトの構造物によって上手く囲まれています。窓からの明るい色は視線を中央に引きつけますが、そこに視線が留まる理由はシッセイ自身にあり、彼女の着ている赤いシャツが寒色の背景とは対照的で目立っています。

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私のお気に入りポイントは、シッセイの表情です。目元が笑っていて、口角が少し上がっている様子は、彼女のキャラクターをよく表していると思います。有能で自信たっぷりの船長が舵を取っているので、船の外の嵐も心配には及びません。

飛び道具の達人( Jesper Ejsing 氏、油彩画)

飛び道具の達人(Jesper Ejsing氏、油彩画)

「飛び道具の達人」は、アーティストが楽しみながら描いた絵だと思わせる作品の1つです。鶏や銛のついたサメが、敵に向かって投げつけられている場面なんて、アングルードのセット以外で見たことがあるでしょうか? きっと無いと思います。Jesper Ejsing氏のこの作品では多くの出来事が起こっていますが、ゴブリンが突出するよう焦点の調節された描き方により、見る人が本当に重要なものは何かが分かるようになっています。

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焦点はゴブリンの顔にあり、それは周りの要素がゴブリンを囲い込んでいることからも分かります。丸い境界線を生み出している背景の要素は、見る人の視点が中央から遠く離れてしまうことを防いでいます。剣と帽子はゴブリンの顔の上に線を創り出し、腕とベルト、そしてマントが下に線を作り出しています。これらが、見る人の視線を斜めのアングルになった中心部に留まらせます。

作品全体で、注目すべき線がたくさんあります。視界の外まで伸びた剣は、明確にゴブリンに向かう線になっています。それに加えて、周囲の要素もゴブリンの顔に向かっています。私のお気に入りの線は、見る人をゴブリンの目へと誘導する、鼻と耳から作られている線です。ゴブリンの顔を拡大したものを見てみましょう。とても鋭い眼光ですね。

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これらはセットにある見事な作品の一握りにすぎず、全てをここで取り上げることはできません。このセットで何かお気に入りの作品はありますか? 私の分析に賛成または反対ですか? ある作品を深く分析してみたいですか? ツイッターで教えてください。皆さんのコメントお待ちしています!